その原因のひとつが同軸ケーブル(アンテナ線)の折損です。テレビ背面の狭い隙間、壁内の樹脂管(ve管)、屋外の引込み口など、目に見えにくい場所でケーブルが少しずつ折れ曲がり、ある日突然電波が通らなくなります。
現場で見てきた実際の折損事例をもとに、症状別の原因の絞り込み方と自分でできる確認・交換手順をまとめました。
📋 この記事でわかること
- ✔同軸ケーブルが折損する仕組みと原因
- ✔「全部屋映らない」「1台だけ」「特定チャンネルだけ」の症状別チェック方法
- ✔ve管(樹脂管)内の折損事例
- ✔自分でできる折損確認の手順
- ✔ケーブル交換の方法と選び方
同軸ケーブルが折損するとどうなるか
「テレビ線」「アンテナ線」と呼ばれるケーブルの正式名称は同軸ケーブルです。中央の芯線・絶縁体・シールド線・外皮の4層構造になっており、鋭角に折り曲げられると内部の芯線が断線します。
アナログ放送の時代は多少断線していても「画像が少し荒い」程度で済みましたが、地デジ・BS・CSではわずかな折損でも急にブロックノイズや映像停止・E202エラーが起きます。だから折損に気づくのが遅れやすいんです。
伸ばした状態
曲げると折れているのがわかる
実際の折損ケーブル。曲げると折れ目が浮き出る。この状態でも一見正常に見えるため気づきにくい
折損が起きやすい3箇所【図解】
テレビ背面が最多。次いでve管内・屋外引込み口の順で発生しやすい
① テレビ背面〜壁端子間(最多)
テレビを壁際に寄せて設置すると、背面のアンテナ端子から壁の端子までケーブルが直角〜鋭角に曲げられた状態で収まります。この状態が数年続くと折損します。
L型アンテナプラグに交換するだけで折損リスクを大幅に減らせます。
② ve管(樹脂管)内での折損
壁内の同軸ケーブルはve管(PF管・CD管などの合成樹脂管)に入れて保護されています。リフォーム時の壁張り替えや、引込み口付近でve管ごと鋭角に折り曲げられてしまうと、内部のケーブルも同時に折れます。
この場合は外から見えないため発見が遅れます。引越し直後・リフォーム後から突然映らなくなった場合はve管内の折損を疑ってください。
③ 屋外引込み口・ケーブル同士の接続部
屋外に露出している同軸ケーブルは、紫外線・雨水・温度変化によって外皮が劣化しひび割れます。外皮の隙間から雨水が浸入すると内部の芯線が腐食し、断線に至ります。
特にケーブル同士を中継コネクタで接続している箇所は防水テープが劣化しやすく、水入りによるトラブルが多いです。
症状別・原因切り分けチェックフロー
「全部屋か1台かどうか」で確認すべき箇所が変わる
🔴 全部屋のテレビが突然映らなくなった場合
ブースターに電力を供給している電源供給装置(PS)から出るケーブルの折損が疑われます。このケーブルが断線するとブースターが停止し、宅内全体に電波が届かなくなります。
電源供給装置(PS)は一般的にいずれかの部屋のテレビ端子付近、または分配器のそばにあります。電源プラグを抜き差しして変化がない場合はケーブルを確認してください。
🟠 1台だけ映らない・その部屋だけノイズが出る場合
そのテレビの背面から壁端子までのケーブルが原因です。テレビを少し前に引き出してケーブルのたわみを確認し、折れ目・キズがないか目視してください。アンテナレベルを確認しながらケーブルをゆっくり動かして数値が変化すれば折損・接触不良が確定します。
🟡 特定チャンネルだけレベルが低い・ノイズが出る
完全断線ではなく部分断線(芯線が一部切れている状態)です。特定の周波数帯だけ減衰が大きくなります。ケーブルを動かすと症状が変わる場合は折損箇所を探して交換します。
🟢 晴れの日は映るが雨・寒い日だけノイズが出る
折損部が気温変化によって開閉を繰り返している状態です。暖かい日に見えない折損が寒くなると収縮して接触が悪くなります。屋外や壁内での折損が多いです。雨の日だけ映らない場合の詳細はこちら
自分でできる確認・交換手順【5ステップ】
まずアンテナレベルで現状を記録してからケーブルを動かして確認する
STEP 1|アンテナレベルを確認して数値を記録する
テレビのメニューからアンテナレベルを開き、全チャンネルの数値をメモします。全チャンネルが低いのか、特定だけ低いのかを判断します。
→ メーカー別アンテナレベルの確認方法
STEP 2|ケーブルをゆっくり動かして数値変化を確認する
アンテナレベルの画面を開いたまま、テレビ背面のケーブルを指で軽く曲げたり伸ばしたりします。数値が変化したら折損・接触不良が確定です。動かした場所が折損箇所です。
STEP 3|外皮のひび・凹み・変色を目視で確認する
ケーブル全体を目で追い、外皮に折れ目・白い筋・凹み・ひび割れがないか確認します。特にテレビ背面で鋭角に曲がっている箇所を重点的に見てください。
STEP 4|折り曲がり部分を伸ばしてゆとりを持たせる
軽度の折損であれば、ケーブルに余裕を持たせて曲げ半径を4cm以上にするだけで改善することがあります。テレビを壁から少し離すか、L型プラグへの交換が有効です。
STEP 5|改善しない場合はケーブルを交換する
STEP4で改善しない場合はケーブル交換が必要です。ホームセンターや電器店で購入できます。テレビ背面から壁端子間は市販のアンテナケーブル(F型〜F型または変換プラグ付き)で対応できます。
アンテナケーブルで最も普及しているタイプです。4K・BS対応で損失が少ないです。テレビ背面〜壁端子間(通常1〜2m)なら市販の完成品ケーブルで十分対応できます。
業者に依頼する目安
- ▶壁内のve管内でケーブルが折損している場合(壁を開けないと確認・交換できない)
- ▶屋根上・屋外の引込み口のケーブルが劣化している場合(高所作業・落下リスク)
- ▶全部屋が映らなくなったがPS装置まわりで原因が特定できない場合
- ▶ケーブルを動かしても原因箇所が特定できない場合(隠蔽配線の折損)
よくある質問(Q&A)
まとめ
同軸ケーブル折損まとめ
- 全部屋が映らない → ブースター電源供給ケーブル(PS装置まわり)を確認
- 1台だけ映らない → そのテレビ背面のケーブルを確認
- 特定チャンネルだけ低い → 部分断線。ケーブルを動かして変化を確認
- ve管内の折損 → リフォーム後・引越し後から起きた場合に疑う
- 確認はアンテナレベルを開きながらケーブルを動かすと効率的
- テレビ背面〜壁端子間はS-5C-FBの市販ケーブルで交換できる
- 壁内・屋外・原因不明の場合は業者へ依頼する



コメント
はじめまして。
先日、BS放送が突然 映らなくなったのですが、10日間ほどで復活しました。
BSは映らないのに、地デジは映っていました。
修理屋さん(ケーブルテレビ局・スターキャット)が、なかなか来ないため、
アンテナ端子の抜き差しは行っていました。
ケーブルは、壁から分波器までが4C2V同軸 1m、分波器は「HORIC製(S-4C-FB)40cm BCUV-971」です。
分波器からBDデッキに入力し、BDデッキからテレビに出力しています。
テレビへの出力ケーブルは「HORIC製 S4CFB同軸 2.0m HAT20-915SS」です。
原因が不明です。
アドバイスあれば、よろしく御願い致します。
秋田様
まず電波元はアンテナではなく、「スターキャットのCATV」でよろしいでしょうか?
だと仮定して判断しますと、BSはスターキャットのSTBで視聴されているという事でしょうか?
それとも、BSはアンテナで視聴されていて、一台のBDデッキに繋いているのでしょうか?
その辺をもう少し詳しくお願い致します。